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コーティング前処理の話@
 ここではコーティングの前処理@として,コーティング基材として金属やセラミックスの場合について説明します.金属上への湿式めっきの前処理として,古くから「酸洗」「アルカリ脱脂」の二つが行われてきましたし,今でも行われています.一方,乾式めっき(ドライコーティング)の前処理としては,真空紫外光照射などが採用されています.コーティング処理に使用する装置の制約もあり,様々な前処理法がありますが,どこが同じで,どこが違うのでしょうか?基本的にコーティングの前処理の目的は,基材表面をきれいにして,その後のコーティング膜の密着性などを改善することにあります.その意味で,両者の前処理は同じ方向を見ていると言えますが,決定的に異なる点があります.それは,どんなレベル(程度)のきれいさ(清浄度)を求めるかということです.真空紫外光を照射す方は,基材表面に吸着した分子まで残らず除去するという発想ですが,湿式で採用される「酸洗」「アルカリ脱脂」ではそこまでを追い求めてはおらず,基材表面にある酸化物や油などの物質を取り除こうとするものです.もちろん,前処理とはその後の処理が円滑に良好に行えるようにするものですので,どんな処理が正しいかといった答えは,コーティング処理に依存して変化します.まさに適材適所で選定する必要がありますが,一部では,単なるルーチンワークとして,本当にそれでよいのかを考えることなく行われている場合もあるようです.従来とは異なった前処理をすれば良好なコーティングができる場合もあります.
 では,分子レベルで金属やセラミックス表面を清浄化するとどうなるのでしょうか?見た目は何も変わりません.電子顕微鏡で見ても何も変わりません.しかし,「親水化・疎水化」の項で説明したとおり,金属・セラミックスの超清浄化表面は,水に濡れるようになります(ゴミの分子が取り除かれると,基材表面にもともとある水酸基の効果で親水性になります).ですから,前処理で超清浄表面を作っても,そのまま放置すると元のきたない表面に戻ってしまいますから,後のコーティング処理の直前に行う必要があります.一方,コーティング処理・物質の種類によっては,親水化ではなく疎水化した方がよい場合もあります.


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