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コーティングの話
 部品や部材の表面の姿を変える手法の一つに「コーティング」があります.みなさんよくご存じの「めっき(鍍金)A)」もコーティングの一種です.水溶液中でコーティングするやり方を湿式法(しっしきほう)ウェット・コーティングと呼び,水のない乾燥した環境下でのコーティングを乾式法(かんしきほう)ドライ・コーティングと呼びます.いずれの手法によるコーティングでも,必ず被コーティング材(コーティングされる部品)の前処理(別トピックとして詳しく説明しています)を行う必要があります.場合によっては,コーティング処理の後に,後処理を必要とする場合もあります.前処理や後処理が不十分であったり不適切な場合には,いくら適切なコーティングを行ったとしても,コーティング膜が剥がれたり,きれいに着かないこともよくあります.しかし,どれだけ完璧に前処理をし,完璧にコーティングを行い,後処理も完璧だったとしても,「コーティング膜とは必ず剥がれるもの」ということを覚えておいてください.剥がれないコーティング膜はありません.剥がれるまでの時間が長いか短いかということだけです.

 良好なコーティングを行うには,何に何をつけるのかというところから考える必要があります.コーティング目的(色調や材質など)によってコーティング材が選定され,何にコーティングするのかによってコーティングの手法を選び出します.すなわち,コーティングは,被コーティング材(着ける所)とコーティング材(着けるもの)の組み合わせによって最良のコーティング法が選ばれます.また,単純にコーティング法独特の性質も手法選定に加味されます.被コーティング材の材質によって,前処理の方法を選びます.多種多様な基材材質,コーティング材に対応するため,電気めっき(電解めっき),無電解めっき,蒸着やスパッタ,溶射(プラズマスプレー)など様々なコーティング法が古くから採用されています.しかし,すべての材質に対してすべての前処理ができるわけではありませんし,すべての材質に対してすべてのコーティング法が適用できるわけではありません.できることとできないことあるのですが,できないことが,山ほどあることを知っておいてください.例えば,どんなに頑張っても水溶液からのアルミニウムめっきはできません.また,この金属の上にはコーティングできるが,この金属の上にはできないというものもあります.
 適切な前処理,コーティング処理,後処理を選べば,金属だけでなくセラミックス,ポリマー樹脂の上に,金属や化合物,セラミックス,ポリマー樹脂のコーティングが可能です.簡単な小さな装置でコーティングできる場合もありますが,大型の特殊な装置を必要とする場合もあります.弊社でも,すべての組み合わせのコーティングができるわけではありません.


A) めっき(鍍金)は,日本語です.いろんな書物では,なぜか「メッキ」とカタカナで表記しますが,業界では「めっき」とひらがな表記あるいは「鍍金」と漢字表記します.



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