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(15) 天然由来成分のお話 天然由来成分は本当に体に安全なのか?

 化粧品や洗剤,サプリメントなどの宣伝に銘打ってあることの多い「天然由来成分」.CMでは,天然由来成分と言えば「体に安全!」という感覚を一般消費者に植え付けたいのだろう.でも,これって本当だろうか?信用してよいのだろうか?逆説的には人工的な化学成分(化学合成品)は本当に体に安全ではないのだろうか?ということ.多くの日本人は,「その通り!」と言うのでしょう.でもよく考えてみると,これは単なる迷信に過ぎません.例えば,フグ.調理には特別な調理師資格が必要なほどの猛毒.実に青酸カリ(シアン化カリウム)の1000倍以上の毒性と言われています.フグ毒はフグのキモ(肝臓)に多く蓄積していますが,元をたどれば,エサの貝毒に由来するものなのです(なので,完全養殖のフグには毒がないのです)が,これが天然成分のテトロドトキシンっていうもの.毒キノコの代表選手・ツキヨタケ.食用のシイタケやヒラタケと形が似ていて,残念なことに毎年これによる犠牲者が報告されています.これにも,天然成分の毒物イルジン類であるイルジンS,イルジンM,ネオイルジン等が含まれています.紫色のかわいらしい花を咲かせるトリカブト.これにも有毒アルカロイドであるアコニチン系アルカロイドが含まれます.そうです!天然由来成分と言ったって,人にとって安全なものもあれば危険なものあるということなんです.逆も全く同じなんです.人工化学成分(人工合成物)でも,人にとって安全なものもあれば危険なものありますよね.
 要は,化粧品のように,使う人に合ったものかどうかを個人個人で判断するしかないのです.これは何でも同じことです.くれぐれも,天然由来成分だから体に安全だと決めつけないことが重要なのです.
 

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