(12) 伝言ゲームって知ってますか?の話
昔からあるゲームで,何か一つのことがらを言葉だけや身振り手振りだけで次の人に伝えていって,最後の人が何を伝言されたかを言い当てるゲームですよね.普通は,途中でどんどん間違った内容で伝達されて,最後の人は・・・大笑い!ってゲーム.そうなんです,これはゲームだったはずなのです.でも今の日本人の会話では,素でこれが行われているんです.「話を切り取る」っていうことも,それを助長しているのでないでしょうか.そもそも,事実を事実として「正しく」伝達するという訓練(教育)をどこでも受けていない人たちにとっては,自分の発言が正しく伝わっているかどうかを確認することさえしない.どんなにめちゃめちゃなことを言おうが,きちんと意思が伝わっているものと信じ込んでしまう!まさにゲームの世界ですよね.口頭や電話ではなく紙に書いて!というのいうのは,伝言間違いを避ける常套手段だったんですが・・・.情報伝達の手段が,紙にペンで書いた文書を郵送していたものが,ワープロを使うようになり,電子メール,LINEと変遷し,その場にいない人にも超高速で伝達ができるようになりましたが,我々人間の持つ大きな技能を失いかけていないでしょうか?情報伝達能力です.会社や学校では,とかく「英語」の能力を重視する傾向が強く,英語を学習することが大変重要なことがらとされています.しかしよく考えてみてください!日本人が日本語をしゃべって日本で生活するとき,もっとも重要な言語は,当然,日本語です.日本語の能力が十分に習得できていないのに,外国語を習得できるのですか?外国語を学習するのは,日本語をきちんと操れるようになってからではいかがですか?外国語ができて素晴らしいと言われるのは,その前提として日本語がきちんとできるということではないのですか?もちろん,外国語教育をしなくてよいと言っているのではありません.外国語に偏ってはいけないと言っているのです.すでに,多くの大学の理系学部で現代国語が入学試験に加えられています.それはこの表れではないかと思うのです.でも,入試の現代国語なんてどうでもいいのです!流行語が何でもいいのです.少なくとも,日本語で正しく意思疎通が図れること,ゲームではなく,きちんと伝言ができ,TPOに合わせた日本語が話せることが重要なことではないでしょうか.この上さらに外国語ができたら,こんな素晴らしいことはないのです.
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