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(11) 海がすごくきれい!の話

 私が夏頻繁に海に行っていたのはおよそ30年前.愛知県の近くのとある海水浴場の海水が汚いということで,早朝から車を飛ばして日本海側まで海水浴に行っていたんですよね.でも数年前の夏,海辺に行く用事があってその海水浴場に立ち寄った時,海水がめちゃめちゃ綺麗になっていたんですよ.砂浜のことではないですよ.水に嫌な臭いや濁りもない!いろいろと伺ったところ,やはり生活排水の処理をすごくキッチリとやるようになってから綺麗になったとのことでした.そうなんです!海が汚いのは人が水を汚したってことなんです.でも,よく考えてみてください.汚い生活排水を海にダダ流しにしていた昔でも,決してきれいな水ではないものの,海水がどんどん汚れ続けていたんでしょうか?水は汚いけれど,ずっと同じぐらい汚い状態が維持されていたのです(人はこれを勝手に自然浄化と言っていますね).もちろん海水の汚れは,プランクトンの大量繁殖による赤潮の発生など,多方面に悪影響を及ぼすのですが,今は,海がきれいすぎて赤潮さえ発生できない状況ということもできるのはないでしょうか.人にとっては悪であっても,それが自然環境にとって本当に悪であるかどうかは別物なのですよ.海の汚れを養分として生活・成長している生物も海辺には多くいるんです.貝類や海藻類がその代表です.もともと人が出した海水の汚れの多くは,海洋生物が養分として食べ,成長した貝類や藻類を人が食べるという,まさに小さな食物連鎖が成立していたんです(敢えて過去形で書きます!).しかし「地球環境を守る」という大義名分によって,人だけが好む環境を作り出そうとしているのではないですか?海中の養分が減れば,まさに人が食してきた海洋生物の成長を妨げることになってしまうのです.「地球環境」って,人だけにとってのことでしょうか.人のわがままによって,海洋生物を痛めつけていることをもっともっと知るべきですよね.アサリが採れない,海苔が採れないという不利益が生じると,人(特にマスコミ)はギャーギャー騒ぐのですが,その根源は,我々のわがままな(行き過ぎた/時には間違った)発想にあることを認識してください.我々も地球に生きる生物の一員であり,我々だけが住んでいるのではないということを.きちんと共生するには何をどうすべきかを考えることが重要なのではないでしょうか.まさに,「過ぎたるは及ばざるが如し」ですね.
 

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